2009年11月8日日曜日

[error:0082] 千手観音の体内時計は銀河の呪い(前編)

本日は東大本郷キャンパスにて、
誰でも聴ける理学部無料講演会が開催なのであります。




放水だか催涙弾だかで有名な安田講堂でありますが
実は「赤門」も含めこの辺は文系エリアでして、
大抵の理系学生は卒業式ぐらいしか縁がないのです。

さらに言えば、ただでさえ大学全体で15%しかいない女子学生にも、なおさら縁の無いのが理系でした。




講演会は毎年春と秋に開催されていて、今回で16回目だそうなのですが、
これまでなぜか平日ばかりの開催で、興味あっても行けませんでした。

それを私が平日バッチコイ状態になった途端に日曜開催を敢行してくるとは
なんだかムショーに損した気分であります。




入口で講演資料とスタンプカードをもらいます。

……大学の講演会来てスタンプカードって何だかねぇ。
しかも年2回しか開催されないんでしょアータ。
一応、5点溜まると記念品がもらえるそうです。東大名物合格ギンナンとか今更いらんぞ?




実はかなり満員です。
パッと見、日曜に一般人ばかり集まったにしては年配者に偏ってるようですが
やはりOB仲間、てか先輩たちなのかな。
ちなみに、理学部卒業生にはメール(郵便の場合も?)で開催のお知らせが来ます。





最初のお題は、チリのアタカマ砂漠に天文台を建てたお話。

非常に乾燥しているうえ標高4800mの高地なので、
大気や水蒸気や雲に邪魔されず、超遠方の銀河まで
(可視光でなく電波望遠鏡でだけど)良く見えるのです。

まぁ、場所が場所だけに生活そのものがまず大変らしいのですけど。
個人的には南米なんつーと、
AK47で武装した山賊とか襲って来ないか心配です。


しかし確かに、プロジェクター上でさえ素晴らしい星空の映像でした。

ちょっとだけ行ってみたい気も、して来てしまいましたぞな。




続いて体内時計のお話です。
プレゼン技術が巧かった事もあってか、客席の反応も上々でした。

生物の体には昼モードと夜モードがあり、生理的状態が異なります。

「夜に限って歯が痛む」「早朝に限って喘息の発作が出る」
といった話も、ちゃんと理由があるのだそうです。

なんとヒマワリが太陽を追うのも光に反応しているのではなく、
体内時計(脳が無くても細胞レベルの体内時計がある)なのだそうです。
その証拠に、ヒマワリが未明の暗いうちからすでに東を向き始める動画なども。
ほほぉー。




体内時計は、(昼行性生物の場合)30分以上光に当たるか、
空腹状態から食事を摂ることで、「昼モード開始」に合わさるそうです。

このグラフは
暗い所に引きこもりきりのマウス、次第に昼夜逆転するの図」であります。

体内時計周期が24時間より長いため、毎日キレイに一定割合で
活動時間(ただしマウスの場合は夜行性)がズレてっています。
グラフの黒い部分は、マウスが回転車の中で走った事を意味します。

いや耳が痛いですなw


なお体内時計周期が24時間ピッタリでないのは、
夜モードの長さに「のりしろ」的な余裕がある方が、
夜明けを検知して時計調整をする機会を得やすいからだそうです。

つまり「眠い」「まぶしい」と苦しみながら起きるぐらいじゃないと、
スッパリ一日の始まりとしてリセット&リスタートできない、という事か。
うぅむ勉強になります。




朝食で体内時計リセットを掛けるには、
前回の食事(夕食)からが長く、充分空腹になっている必要があります。

逆にもし、昼間長いこと何も食べずに空腹状態で夕食を摂ると、
脳の「親時計」はすでに夜モードに入っているのに
内臓や細胞の「子時計」が昼モードになってしまい、
両者の意見が噛み合わなくなる事で、心身に変調をきたすのだとか。

うむむむむ。

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