親会社のわからず屋なヒトラー会長に思い通りやらせてもらえない
マンシュタイン監督のボヤキをちょうどほぼ2週間掛けて読み終えたので、
返却→新しいのを借りてきました。
「運は数学にまかせなさい」 - 確率・統計に学ぶ処世術
by ジェフリー・ローゼンタール教授。
統計学の入門書ですね。
大学の統計学で扱うような話題を含みますが、数式はあまり出てきません。
厚さ的にこれでまた1週間ぐらいはもつかと思いましたが、
もともとある程度の予備知識があったせいか一気に読んでしまいました。
原題は "STRUCK BY LIGHTNING - The Curious World of Probabilities"
すなわち「落雷に当たる(確率) - おもしろい確率の世界」。
邦題と全然違いますが本文内容を考えると邦題のほうが的確と思います。
30人もいれば誰かと誰かの誕生日がかぶる事が70%はある
(そういえばデザイナー学校でも試してみれば良かった)という有名な話とか、
宝くじ(ロト6)を買って当たる確率より
買いに行く途中で車に轢かれる確率のほうが高いとか、
自分の行動パターンが敵に読まれてると思ったら
コイントスで次の手を決めろ
なんて話が書いてあります。
教授、私はすでにサイコロで道を決めながら散歩した事があります!
別の借りた人が勝手に書き込んだのか、
元々誰かの本だったものが図書館に寄贈されたのか不明ですが、
「仮説検定」関係の記述に限って、目ざとくマーカーが施されています。
試験勉強でもしようとしたんでしょうか? それなら実際の教科書使うかな…
なお仮説検定というのは、ある程度珍しい確率現象が起きた時、
それがマグレと言えるレベルかどうか計算しようというお話です。
通常5%以下の確率でしか起きない「マグレ」はマグレでなく実力とされますが、
サイコロを2回振ってたまたま両方6だったら(1/36=3%弱)、
そのサイコロは6の出易いイカサマサイコロにされてしまうのか
という個人的疑問がかねがねあるにはあります。どうなんでしょ、教授?
ちなみに教授はこんな感じの方らしいです。
見掛けは山賊みたいですがさすがに本文は理知的なので大丈夫。
外国本(教授はカナダ人らしい)にはよくある事ですが
「論理の落とし穴」を示唆するジョークがそこかしこに挟まっていますよ!
痩せられないダイエット
あなたは痩せたいと思っている。だから、人気のダイエット法をいろいろと
勉強して、そのとおりにやってみることにした。朝食には、ステーキとバターで
焼いた卵とベーコンを選ぶ。これは低炭水化物ダイエットのメニューだ。
昼食は、楽しく低脂肪ダイエット。蜂蜜を塗った大きな白パンと清涼飲料水、
それにアイスキャンディーを2本たいらげた。夕食には、ピーナッツバターを
たっぷり塗った全粒パンを3枚と、トマト・ソースをかけた全粒小麦のパスタを
大皿1枚分、それに玄米を山盛り1杯食べた。高食物繊維ダイエットのメニュー
に大満足だ。晩のおやつにはアイスクリームをひとすくいにチョコレートの
トッピング。これは少なめが基本のダイエット。ぬかりはない。
ところで、↑この髪型で「ヘアケア製品がどうの」たる一文が出てくるのも
何かのジョークですか教授?
ん?最後の空白ページに何か付箋とメモ書きがあるぞ。
不動産xi
[宅建主任]
・安アパート経営
・車庫付きアパート改造(室内)
(輪入)自動車部品販売会社
・フォルクス・ワーゲン
・ジムニー
【オートバイみたいなクルマ】
湘南(カマクラ)に住む
(Surfin.)
占い ←統計学
女性行動分類
-sexがきらい・・・・xx%
アルゴリズム
8/27/08
* * * * * * * * * * * * * * * *
とりあえず
輪入はたぶん輸入の間違いであろうこと、
SurfinはSurfingであろうこと、
日付はイギリス式にこだわっていること
あたりは判りました。
どうせなら女性の字で
「この本を選んだあなたとは気が合いそうなので連絡下さい♪」
なんて書いてあったならワクワクするんですが。
そういえば帰って来る途中、道端に電話番号と女性の名前らしきものが
書かれたメモが落ちてたりしましたが、あれも何かの予兆だったのかなぁ。
いやもちろん拾って来ませんでしたけど、
長く人目にさらさないために敢えて救出するという手もあったかなフフフ…
しかしわざわざ色分けまでして書かれているこのメモの意味はなんだろう、
そしてなぜこんな本の巻末に書いたのだろう?
将来やりたい商売とか生活像の事かなぁ。
でも占いはあくまで「遊び」であるべきだし客が期待するのもそれであって、
まともな統計学、すなわち「単なる事実」を持ち込む余地はないと思いますよ。
そういえば本文にもこんなのがありました。
あなたは夫と夕食をとりに出かけた。夫はコークとペプシの違いがわかると
自慢し、今飲んでいるのはペプシだと言う。当たりだった。そこであなたは、
(a) 夫がコークとペプシの区別がつくことを認める。
(b) 夫の味覚の鋭さに感心する。
(c) プロのワイン鑑定家になってはどうかと夫に勧める。
(d) コークとペプシをそれぞれグラスに5杯注いで、でたらめに並べ、
夫の味覚を試してみる。この場合、「p値(運だけで全部当たる確率)」は
5%未満だから、このテストに合格したら初めて夫の特殊な才能を認める。
…教授、数学的にはdが正解でも夫婦としてはどうかと思いますが。
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